IDEMITSU IHATOVE TRIAL

イーハトーブ新聞

イーハトーブ新聞 2007 vol. 3
出光イーハトーブトライアル大会通信

無事故記録が31回に!戻る

 おかげさまで、今回も交通事故は一件もなく、これで無事故記録は31回となりました。あたりまえといえばそれまでですが、事故がないことは参加のみなさんにとってはもちろんのこと、応援・協力してくださった地元の方々にとっても、冠協賛の出光さん他スポンサーの方々にとっても、主催者の私たちにとっても、もっとも重要なことだけに、本当に嬉しく思います。注意しながら走ってくれた参加者のみなさん、ありがとう!残念ながらセクションで怪我をして病院に運ばれた人はいましたが、早く治してまた来年、腕を磨いてきてくださいね。次回以降も無事故記録が続き、ライダーにとってドリームランドとしてのイワテ=イーハトーブでありつづけたいものですね。それにしてもこの無事故記録には、つくづく人智を超えたお守りのありがたさを感じます・・・

大好評!トレイルツアーのレンタルバイク戻る

 今回から出光イーハトーブトライアルのひとつのクラスとして格上げされたトレイルツアーは、ヤマハさんのご協力でレンタルバイク10台を用意していただき、貸し出し台数があっという間に申し込みでうまってしまうほどの人気でした。その中で感動的だったのは、宮崎県からの参加ライダーが「第一回イーハトーブトライアルのときから行きたいと思っていたのが、レンタルバイクのおかげで夢がかなった」という話でした。それだけでなく、今回参加してその楽しさのとりこになったという岩手のライダー(!)が、福井県に嫁いだ妹さんと、沖縄県に住む友人が「レンタルバイクがあるなら来年ぜひ参加したい」とすっかりその気になっているという話もありました。いずれにしろ、レンタルバイクが出光イーハトーブトライアルの参加者層をグンと拡大したことはまちがいありません。こんなに嬉しい反応があったので、来年はさらに良いかたちを工夫しますからね。これもお楽しみに!

ネリ参加者からのメール戻る

 大会後、ネリ参加者から下記のメールを頂きました。多くの声を代表するものと思われますので、その一部をご紹介します。

> ただ1つ残念だったのは、渋滞があり、時間に追われてしまった事です。

 その件に関して、私も心を痛めておりました。
 まずは参加のみなさんに心からお詫び申し上げます。
 せっかく美しい岩手においでになったのに、渋滞の連続でイライラ状態になって、ほんとうに申し訳なく思います。
 まわりのみなさんにも、私からそう伝えていただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

> ネリのセクションですが、今年程難しくなくても良いのでは?と思います。

> 簡単すぎればブドリセクションにトライする事も出来ますし。

> もしくは、ネリクラスに初心者クラスを設けて、ネリと同じコースを使い難しいセクションはトライしなくても良いとしたらどうでしょう?(採点セクションを10セクションくらいにし、その他のセクションはトライは自由だが採点はしない。)

> 今でも申告5点にすれば良いのでしょうが、何となく抵抗あるようですので…。

 ご提案、ごもっともです。すべておっしゃるとおりだと私も思います。今後は渋滞のないようにスムーズな進行を実現させます。

> 今後参加者を増やしていくとなると、安比でのスタート人数はこれが限界という気がします。

 おっしゃるとおりですね。

> ですので是非ヒームカの復活を望みます!太平洋を見たい人も多いですし。

 そうですね。ヒームカの復活は発案者の私も望んでいることです。
 問題はヒームカコース・セクション設定、および引率など、専任のスタッフをさく余裕がないことと、十分な参加人数が見込めないことにありますが、それでももう一度工夫してみる価値はあると私は思っていました。ご要望をいただいたので、来年に向けてもう一度みんなで考えて見ます。(いま思いついたのは、クラシックのコース、セクションの一部を使うような形で、手間のかからない設定、運営を工夫することです。くろさき荘がゴールで、翌日は帰るだけというのも良いかも…)

> 来年もまた、新たな参加者を連れて行きたいと思います。(その前にプレイベントも)継続する事は大変な事だと思いますが、頑張ってください!

 ありがとうございます!今回、率直なご意見に対し、ますます主催者として努力しようという気力が湧いてきました。(困難なことに燃えるタイプなので…)

早くも親子3世代大会が実現!戻る

 今回は、念願の「親子バイク教室」がヤマハさんの協力で実現したので、土曜日の安比スキーセンター前大駐車場には親子づれがたくさん集まってくれました。小学生から参加できるこの教室は大好評でしたが、これによって出光イーハトーブトライアルは小学生から還暦を過ぎた人まで、年齢層とすれば3世代が集まるイベントになったわけです。将来はここに親、子、孫の3世代ファミリーがぴったりはまる日がくるのでしょうね。いまから楽しみです。

親子バイク教室参加の感想紹介戻る

 参加したK君(7歳)と、見守ったおばあちゃん、参加者のご両親の感想文を一部紹介します。

K君の感想
 「きょうは、イーハトーブでバイクにのりました。ぼくは、とてもねむくて、おばあちゃんにはんぶんねているといわれました。でも、バイクにのったらたのしくてねむくなくなりました。ブレーキのれんしゅうをしたとき、先生に「ブレーキじょうずだね」とほめられました。うれしかったです。こんどは、トライアルみたいなところをはしりたいです」

おばあちゃんの感想
 「最初は、先生の言う通りに発進・停止がうまくできなくてふらついていましたが、少しずつ距離を伸ばして行くに従って発進も停止も先生の指示の場所まで上手に出来るようになり、走る姿勢も背筋をきちんと伸ばして適度なスピードで走っていたのには感心しました。
 やがて、上達してイーハトーブの森の中を走ることが出来るようになったら…と想像して、将来が楽しみになりました」

ご両親の感想
 「息子の走っている雄姿を見ることは出来ませんでしたが、両親にとっては、息子と一緒に、イーハトーブの森を駆ける第一歩としてとてもありがたいバイク教室でした。
 希望としては、参加者が見える場所で、会場一体となった雰囲気での継続開催を望みます。息子よ、いつの日か、いっしょにイーハトーブの森を駆けよう!」

上手なライダーで見ごたえありのクラシック戻る

 高齢化がすすんでゆくにつれ、目の覚めるようなライディングを見る機会が年々減ってきていたクラシックですが、昨年のオリバーファミリーと成田匠君の活気あふれるライディングは久々に見る楽しみを味あわせてくれました。そして今回も成田亮君とその仲間の松元竜一さん、長田智邦さん、それに京都の森進太郎さんも躍動的なライディングで観客を楽しませていたのが印象的でした。やっぱり元気なライディングを見るのは理屈ぬきで面白いですね。それとは対照的に渋いうまさをまざまざと見せ付けた優勝の荒生和人さん、木村治男さん、それにイーハトーブ初参加の三谷正次さんも、ラインの読み方、アクセルワークなどにベテランらしい見ごたえがありました。昨年優勝の八ツ星均さんはバイクが行きたがらないため、本領発揮ができないままでした。やっぱり弘法も筆を選びますよね(笑)そうそう、ゲストの桐島ローランドさんはエンデューロとは別の難しさを味わいつつも、美しいイーハトーブを楽しんでいる姿が印象的でした。

ごはん、おいしかったですね!戻る

 この大会の開催趣旨をひとことで言えば、「岩手を自慢する大会」です。岩手の素晴らしい自然、おだやかで親切な人々、それにおいしい食べ物・・・の三つ目をもう少し強化できないものかと、今大会の前に昼食と、宿泊の関係者のみなさんにお願いしておいたことは前回のイーハトーブ新聞に書いたとおりです。そして、大会当日、袖山レストハウス、田山ドライブイン、平庭スキー場食堂、それにくろさき荘の食事はいかがでしたか?値段は据え置いたままで、それぞれ確実に昨年を上回る満足度になっていたのではないでしょうか?一言付け加えれば、平庭スキー場のイーハトーブ弁当は限定100食となっていて、これはあえて早いもん勝ちにしたのです。その理由はどうしても遅くなりがちなクラシック二日目の進行を早めるためなのです。お弁当にありつけなかった参加ライダーの方々はご不満もございましょうが(笑)来年以降もこの方式でいきますので、お弁当を逃したくないかたはテキパキと進行しましょう!

お助けテント盛況でしたが…戻る

 ネリ・ブドリの車検で不合格になった人をその場でなんとかしてあげたい…そんな善意のお助けテントが、実行団員もみんなお世話になっている岩手町のセヨシサイクル社長、瀬川さんの申し出で実現したのですが、これが予想以上に盛況でした。まずはお世話になったライダー代表として私から厚く御礼申し上げます。ありがとうございました!!
 それにしても不思議なことに、ふだんはOKなのに車検のときに急に点灯しなくなるウィンカーとか、微妙に規則を満たしていないFスプロケットカバーで車検を不合格になった人(私です…笑)は、すぐにここで手を打ってめでたく合格というありがさ。ですが、これが瀬川さんの完全ボランティアという気持ちに甘えてしまっていいのでしょうか・・・?
 というわけで、来年からは口頭によるアドバイスだけ無料で、瀬川さんが手をかけたり部品を使用すると有料としたほうが良いのでは?この案は私が当初から提案していたことでしたが、今年はまず様子を見るということでしたので、来年から有料化になる可能性が高いことを、ライダーのみなさんはいまのうちから認識して、くれぐれも完全整備してきましょうね。車検不合格もさることながら、リタイアはもっと情けないですから・・・(電気部品の故障で早々にリタイアした万澤の実感でした)

手を上げろ!採点のときは…戻る

 最近の参加者たちをはたから見ていると、いったい誰が採点をしているのかわからないことがあります。それは採点をしている人が手を上げて点を示していないからです。でも採点はまちがいなくしているんだから別に手をあげなくたっていいじゃないか、という人はそれこそまちがっています。そもそも37年前に、イーハトーブトライアルの前身ともいうべき関東トライアルで、私たちカンブリア紀ライダー(笑)が始めた相互採点方式は、オブザーバー役をライダーが相互に行うというものです。もし、全日本でオブザーバーが手を上げずに黙々と記録だけしたらライダーと観客はいったい何点だったのか不安になるでしょう?手を上げることは、何点だったかを当事者のライダーに知らせるだけでなく、見ている人々にも厳正な採点であることをアピールしている意味もあるのです。もっと極端に言えば3人一組が基本のイーハトーブでは、共謀してのオールクリーン採点だって可能です。もちろんそんな人はいないという信頼の原則の上に成り立つ相互採点方式だからこそ、手を上げて採点することは他のライダーたちから見ても納得のゆく採点を行っている証拠でもあるのです。もう、おわかりですね。次回からは“手を上げろ!”ですよ。

荷をおろせ!ベストをつくせ!戻る

 見ていて気になることをもうひとつ。それは大きな荷物を背負ったままセクションに入ってゆく参加者の多いこと!たしかに出光イーハトーブトライアルは「スポーツ観光」ですから、旅を楽しむ気分は大いにけっこうですが、セクションはスポーツの場であって旅の場ではありません。
 いうまでもなく、トライアルというスポーツはバイク操作のうまさを競うものですから、自由な体の動きが(その人なりの)最高のパフォーマンスを生むのです。軽い荷物ならまだしも、大きな荷物を背負ったままでは、うまい人でさえ思うように乗れなくなるのに、うまくない人はますます下手になることは言うまでもないでしょう。大きな荷物のために急なヒルクライムでまくれて転落してくる人たちの姿は、下手以前に知性が欠けているようにさえ見えてしまうのは観客も同じだと思います。トライアルでは、上手、下手よりも、スポーツマンらしく、ベストを尽くしている姿こそが尊いのです。
 当たり前のことをあらためて言いますが、そもそもトライアルを走るのに大きな荷物をかついで乗らない!(クラシックでは着替えなどの大荷物は輸送車が往復1,000円で運んでくれる)工具や燃料は車体に取り付け、水やタオル、最低限の部品類だけウェストバッグか、小さなデイパックに入れておき、それでも重く感じる場合はセクション下見のとき、出口に荷物を置く。これがトライアルライダーの正しい姿ですよ!

次回、トライアルお目付け役が登場戻る

 私たちがこのトライアルを始めたときは、トライアルがうまくないにしても、トライアルがどういうものかを知らない人は一人もいませんでした。だから、すべてがあたりまえのことのようにスムーズに運んでいましたし、規則書にしても第一回目のときは手書きコピーで簡単なことしか書いてなかったのです。
 さて、時代はすっかり変わり、いろんな人が参加するようになると、中には私たちが当たり前と思っていることも知らず、そういう人のために分厚くなった規則書であるにもかかわらず、目も通さないでくる人さえ現れるようになりました。当然、それによって不都合なことがいろいろ起きるわけですが、もっとも良くないのは上にも書いたように、採点をキチンとしないこと、またはキチンとしているようには見えない採点をすることです。
 これには、成田副会長の「遊ぶときぐらい真面目にやれ!」という名言をそのまま使うのがいいでしょう。いうまでもなくトライアルは採点競技ですから、それがキチンとできなければトライアルは成立しません。そこで第1回大会からずっと関わり続けてきた3名の大ベテラン実行団員、阿部祐輔さん、米沢誠司さん、国安重男さんが次回以降、参加者のお目付け役として登場します。神出鬼没のお目付け役からの、愛ある一喝があったときは、参加者のみなさんはぜひ素直に受け止めて欲しいものです。

来年は出光冠20周年記念大会戻る

 いよいよ次回、08年の第32回出光イーハトーブトライアル大会は、出光興産の冠協賛20周年記念大会です。長きにわたるご支援にくわえ、とくにこの数年、出光さんの積極的なご協力、ご提案をいただきながらこの大会がどんどん改良発展をとげてこられたことに、あらためて感謝いたします!さて、来年はどんなかたちになるのやら。いまからみんなであれこれ案を練って、記念大会にふさわしい内容にしたいと考えています。お楽しみに!
 ではまた来年、夏の終わりに岩手でお会いしましょう!  (万澤安央)