おかげさまで無事故記録も30回[ 戻る ]
主催者として一番気がかりなことは、地元の方との交通事故。「事故が一件でも発生すると道路使用許可を出せなくなる」と、以前、岩手県警から言われた。
そんなわけで、今回も交通事故は一件も無かったので無事故記録が30回となった。これは参加者のみなさんが注意してくれたおかげと、神様のお守りのおかげだと思っている。今後も油断することなく、無事故記録が伸び続けるように最大限の努力をしてゆくつもりだ。みなさんも、引き続きご協力よろしく!
主催者として一番気がかりなことは、地元の方との交通事故。「事故が一件でも発生すると道路使用許可を出せなくなる」と、以前、岩手県警から言われた。
そんなわけで、今回も交通事故は一件も無かったので無事故記録が30回となった。これは参加者のみなさんが注意してくれたおかげと、神様のお守りのおかげだと思っている。今後も油断することなく、無事故記録が伸び続けるように最大限の努力をしてゆくつもりだ。みなさんも、引き続きご協力よろしく!
今後の出光イーハトーブトライアルの目指す方向でもある、親、子、孫の3世代参加のイメージリーダーとして、特別ゲスト招待したニュージーランドのオリバーファミリーは、まさに期待どおりの大活躍であった。
アラン爺さんはネリを2点の好成績だったし、トライアル初参加の母デボラさんは親しみやすさで役割を果たした。クラシックに参加の父、スティーブンさんと、長男のアンドリュー君(アンディ)、次男のニコラス君(ニック)も、日本の誇る成田匠選手といっしょに走ったことが非常に良い刺激となったようだった。
結果、スティーブンさんは、クラシック優勝者の八ッ星均さんと同スコアで、参考リザルトながら優勝相当の大金星。次男のニコラス君も大健闘。運転免許年齢に達していない末っ子、ピーター君は二人の日本人の技の切れ味にビックリしながらも、けなげにデモ見習いとして活躍した。
みなさんに呼びかけて実現したJ-NZフレンドシップでは、オリバーファミリーが乗る6台のバイクがめでたく集まり、その貸主にニュージーランドで同じようにバイクを無料で借り、オリバーファミリーが案内して楽しいトライアルライディングができる特権保証書を、代表のスティーブンが手渡して終了した。
一台だけクラッチが不調となったが、それも「現状復帰」の条件にしたがって修理完了後、代金を支払って解決。今後、オリバーファミリーのだれかが再来日したときも同じようにバイクをお借りすることになるので、またご協力願いたい。
今回の前夜祭の規模に驚いた参加者もたくさんいたと思うが、実は私たち実行団員も同じように驚いたのである。それもそのはず、今回の前夜祭はすべて出光興産と電通の仕立てで行われたからだ。
30周年記念ということもあって、特別に来賓あいさつも多かったし、出光イーハトーブトライアル4サイクルオイルの開発苦労話や、県立大卒論テーマに出光イーハトーブトライアルを選んだ菊地さんと教授への感謝状贈呈、それに地元の八幡平太鼓や清心(きよみ)さんのマンドリン弾き語りもあった。
しかし、その一方で七時雨山荘でも小規模な前夜祭が開かれたのでクラシックの参加者は、この大規模前夜祭の雰囲気は知らずじまいであった。これも二つの会場が離れていることに起因するのだが、どう考えても一つの会場にまとめて前夜祭を開催することは不可能だった。参加者のみなさんには不便をおかけして申し訳ないが、今後とも出光イーハトーブトライアルはこんなふうな大会だと理解してもらうほかはない。
ネリ・ブドリあわせて330名を超える参加者のわりには、比較的スムーズに進行して、多くの参加ライダーからも楽しかったとコメントされたことで、スタッフ一同ホッと一安心。しかし、同じセクションでブドリのラインだけを変える方法では、渋滞を引き起こしやすいことも確かなので、参加者からブドリだけでももう少しスムーズに流れるセクション作りができないかと要望する声もあった。
進行をもっとスムーズにする方法としては、セクションの数を減らし、長さを短めにすることで渋滞は緩和され、進行が早くなることはわかっているが、どこまでそれをするかは今後の様子も見て決めたい。
参加人数が少なかったおかげで思わぬ特典がついたサンムトリ。仙台のトレックフィールドさんのご好意で制作されたDVDは、参加者全員を定位置カメラで撮影した結果、ライディングの違いがはっきりわかると大好評。これで自分のテクニックレベルや改善すべき点がよく見えたライダーも多いはず。
しかも、カメラウーマン兼インタビュアー、とれっくか~ちゃんのナイスキャラが、参加者のコメントをうまく引き出している。(日本の国語教育が悪いせいか、名前も含め、聞き取りにくい人が多いが…)
ともかく、参加者以外が見ても楽しめる内容となっているので、参加者には最高の宝物となったはずだ。
しかし、これはあくまで今回限りの特典であり、来年以降の制作予定は無いのであしからず。
優勝の八ッ星均君は、実は木村治男君とは少年時代からの友人であり、トライアルのライバル関係でもあった。
一日目のゴール後、八ッ星君が「治男に勝ったぞ」と嬉しそうにいうので、「木村君もオールクリーンだけど?」と私が言うと、「俺のほうが歳が上だから」と言うほど相手を意識していたのだった。
そして二日目は八ッ星君が2点にとどめて見事に初優勝となったが、木村君は突然不調となったマシンに、一時はリタイヤの危機にさらされながらも、気力を振り絞ってなんとかゴール。
今回はスコルパSY250Fをデビューウィンさせることができなかっただけでなく、長年のライバルにも負けて、木村君にとっては非常に悔やまれる結果となった。こうなったら、来年は木村君の優勝の笑顔をぜひ見たいものだ。
今回、デモライダーは土曜日の普代浜、日曜の平井賀海岸、安家元村、北緯40度公園で行われたが、いずれも大好評だった。主役の高橋由君(19)はますますテクニックに磨きがかかって安定感もあり、今年から正式に加わった沢上祐介君(17)も負けず劣らずのテクで観客を楽しませてくれた。デモ見習いの、オリバーファミリー末っ子のピーター君(14)も二人から大きな刺激を受けたようすだが、40度公園では二人とともに急斜面でのエアターンをうながされると、はにかんだ笑顔で怖がるジェスチャーを見せ、観客の笑いを誘っていた。
日本の2人は英語力を身につけること、ピーター君はテクニックを磨くことなど、それぞれに努力目標が明確になる良い機会になったようだ。いずれも十代と若い3人のこれから先が楽しみである。
昨年大会後の、県民の方からの苦情を受けて、今後は流水に入らない(他に通るところがない場合を除く)基本方針を徹底したセクション設定を行ったが、新しい面白さが加わったこともあり、参加者、観客からはおおむね好評だった。
実行団としても、新たな地主さんたちとの交流が増え、ますます地元からの支持を強く感じる結果となった。今となっては、昨年苦情メールを事務局に寄せたSさんに感謝したい。
しかし、Sさん、あるいはその仲間と思われる方は、再び今大会前に県の環境課あてに「この大会は環境に悪影響を及ぼしているので止めさせたほうが良い」という趣旨の、匿名の手紙を書いている。(引きあいに岩手・青森県境のゴミ問題を出しているあたりが、かなり的はずれだが…)
テレビ岩手事務局がそれを県から受け取ったが、あまりにも実情を知らないまま勝手な論理を並べたてているので、環境課としては様子見のかまえのようだ。今後も、Sさんは我々の大会を監視してゆくのだろうが、我々は決して間違ったことはしてこなかったし、この先もしない。
今回、ネリのセクションで失敗した人のバイクが観客に怪我をさせた。クラシックでも失敗したバイクがオブザーバーに当たり怪我をさせた。この二つは道路ではなく、怪我をした人が参加者の家族と実行団員であり、事故として警察に届け出ることなく示談で処理されたが、モータースポーツ観戦の本質的な問題を浮き彫りにした。
もともとモータースポーツ観戦は危険をともなう行為であり、それを承知で観戦するべきものである。しかし、私たち主催者はその一方で地元の理解を得るためにも、多くの人々に観戦してもらえるようにさまざまな手をつくしてきた現実がある。
もちろん安全に観戦してもらえるように、今後は可能な限り有効な対策を模索しなければならないが、どこまでいってもモータースポーツ観戦は安全だとは言い切れないのである。
したがって、森林管理署が林道の入り口で警告しているように、「この林道は一般の方の通行はできません。万一通行して事故がおきても一切の責任は負いません」と原則を示した上で、通る人を黙認するのと同じことが、モータースポーツ観戦の本質だということを、今後はさまざまな形で観客にアピールしてゆくつもりである。
出光イーハトーブトライアルは岩手のスポーツ観光である。だから単なる観光とは違い、スポーツとしてそれなりの準備が必要なことはいうまでもない。
スポーツの大基本はルールである。トライアルは点数競技なので、この大会はオブザーバーの代わりに3人ないし4人が1組となって相互に採点してスコアが決まる。つまりだれかがオブザーバーとして採点している姿が必ずなくてはならない。
ところが誰も採点している様子がないグループを今回は多数見かけただけでなく、一人で走っている人さえも見た。これは明らかにルール違反である。
手を上げずに採点していても、目で確認し、採点は厳正にやっている…という意見は通用しないことを、このさい肝に銘じておくべきだ。
走行したライダーからはもちろん、他者から見た場合にも、どういう採点をしたのかが明確にわかるように手をあげて指の数で点数を表すことは、点数競技であるトライアルでは当然なのだ。
実際、「手をあげていないので練習かと思いました」と感想をもらした地元の観客もいたし、「七時雨の最終セクションでも、3人組が来た時、1人がセクションインしているのに、そのほかの2人は下見に夢中。その他の2人がセクションインしても状況が変わらず…。DVDにも例年映っている組の方なので、常連と思いますが、最終セクションでそのような事をしていると、この2日間このような状態だったとしたら、点数は正しいの??と思ってしまいました」と実行団員の1人はブログに書いている。不明朗な採点は地元の人々の目に対してもじつに恥ずかしいかぎりである。
また、採点した点数がきちんと読み取れるように、用紙に印をつけるという簡単な行為さえ、まともにできていない人がいることにもガッカリさせられる。
これは採点集計作業にも大きな障害となり、場合によっては点数の計算違いにもつながる。何度も言うが、点数競技なのだから点数がすべてなのである。読めないような印をつけること、あるいは採点カードを汚損すること自体、スポーツマンシップが欠けている証拠である。清々しい大会を存続させるためにも、スポーツとしてのトライアルがキチンとできない人の扱いを、今後は考え直すべきだと私は思っている。
もうひとつ、たわけ者としかいいようがないつぶやきを聞いた。「イーハトーブはセクション間が離れているので疲れる。セクションをまとめて長いコースを無くして、楽にできるようにしてほしい…」まったく話にならないたわけ者である。コース移動の面白さもトライアルの魅力の一部なのだということがまったくわかっていない。
エンデューロの世界的イベント、ISDE(国際6日間エンデューロ)は80年代に入るまではISDT(国際6日間トライアル)と呼ばれていた。つまり、トライアルとエンデューロはもともと同じ舞台から別れたもので、兄弟関係といってもいい。今回来日したスティーブンさんはトライアルだけでなく、エンデューロでもNZチャンプとなっているから、成田匠君とともに風のように山道を駆け抜けてケロッとしている。(匠君の速さは世界レベルである)
実際、SSDT(スコティッシュ6日間トライアル)では、岩山の細いコースを風のようなスピードで走りぬけるライダーたちに対し、ほとんどの日本人ライダーはコースのスピードが話しにならないほど遅い。つまり普段やっているトライアルにスピードの要素がないからだ。
「イーハトーブのコースは疲れるから無くせ」などとぬかすライダーは、それこそ、おととい来るべきである。
箸にも棒にもひっかからないほど下手なライダーにも、スポーツなのだから、少しは上昇志向を持ったらどうかと言いたい。何も成績が上がるようにしろというのではなく、せめて失敗したときにセクションからさっさとマシンを出して、次のライダーがすぐに走れるようにできる程度の練習は、ちゃんとしてから参加してほしい。
こんなことは気の利いたスクールなら、かならず教えてくれるはずの基本中の基本なのだが、とにかくマシンの扱い方が話しにならないほど下手な人が多い。初級のネリだけならともかく、中級向けのクラシックにまでそういう人を見かけると、まったくやりきれない思いがする。
転倒したエンジンを再始動するとき、アクセルは全開にするほうがかかる可能性はずっと高い。理由はキャブレターのガソリンがシリンダー内にこぼれて混合気が濃くなっているから、多くの空気で薄めると着火しやすくなるからだ。燃料噴射の場合はガソリンがこぼれないのでアクセルを閉めたままのほうがかかりやすいはずだ。
こういう知識や技術の無い人は、いつまでもセクションの中でグズグズして後ろのライダーに迷惑をかけていることに気づいてほしい。なんでも慣れると思うのは大間違い。慣れるより、スクールに参加して習え!と言っておく。
クラシックの、往復360キロにも及ぶ長丁場ではマシントラブルが発生しない年はない。毎回イーハトーブ新聞でも、プロによる事前の整備を強くすすめているが、それでも整備不良はあとを絶たない。いや、本人に言わせれば「整備してきたんだけど…」ということになるのだろうが、そこが素人の浅はかさなのである。
バイクの構造に精通し、必要な技術と工具が揃っている人が整備をするならともかく、半端な知識や見よう見真似の技術では、トラブルの種をまいているようなものだと言っておく。
今回もマフラーが裂けて爆音を響かせている人がいたが、この人、トライアル歴は長いくせに、毎回何かしらトラブルを抱えて周りに迷惑をかけているのだから困ったものだ。しかも、周りの人があれこれ助けても、それが当然のような態度で感謝の気持ちが伝わってこない。トラブルで周りを遅延の道連れにしているだけでも申し訳ないと感じるのが普通の感覚だが、この人にはそれがないのである。
こういう人だから、自分の下手な乗り方が原因でオブザーバーに怪我をさせても、そのあとは知らん顔である。せめて、競技が終了したら容態を気遣うくらいの気持ちを見せるのが、本来、トライアル仲間の精神ではないのか?
この人は、出光イーハトーブトライアルの雰囲気を壊し、周りに迷惑ばかりかけているので、次回以降、エントリーを拒否することを検討中である…。この大会の存続に協力するつもりがない人を排除することは、主催者のもっとも大事な役割だと考えている。
今回、もっとも実行団員を憤慨させたのが、七時雨山荘のゴミ箱にゼッケンをすてた参加者である。しかも二人の続き番号である。
確かに、ゼッケンは大会が終われば用の無いもの=ゴミという考え方もできるだろう。しかし、何ヶ月もこの日のために準備に時間を費やし、ヘトヘトになるまで働いた実行団員の目には、この大会を馬鹿にしているように映ったとしても無理はない。事実、発見した団員はこのように述べている。
「見つけてしまったのが自分だから、驚きと悲しみが今も残っています。私の知っている参加者は、全員大事に保管しています。そういうものだとの思いこみが強かったのかも知れませんが、捨てられたゼッケンを見つけたときは、驚きと悲しみが混ざり合って怒りになりそうでした。時間や参加費が都合つかなくて申し込みが出来なかった人や、申し込んでも都合が悪くなり参加できなかった人も多く居るはず。その人たちが身につけられなかったゼッケン…。たかがゼッケンですが、大事にして欲しいと心から強く思いました」
団員の言葉どおり、これ見よがしに会場のゴミ箱にゼッケンを捨てるという行為はこの大会にふさわしい感覚ではないし、この大会の雰囲気と調和しないライダーの参加は、他の参加者に不快な思いをさせるので、排除することが主催者のつとめである。一応、本人たちの釈明を聞いたうえで、今後はエントリーを拒否しようかと考えている。まったく情けない話であるが、30年もたつとここまでライダーの質が低下するのかと、ため息が出る。
今年のクラシックには静岡県牧の原から矢部さんという、クラシック参加十数回というべテランライダーが実行団員として参加してくれた。しかも大会の1週間前からずっとセクション作り、スタート台組み立て、大会当日は先行ライダーと、まさに大活躍であった。
4月のある日、事務局にメールが来た。「今までライダーとして岩手県を走らせてもらっていましたが、今年はスタッフで参加しようと思います。よろしくお願いします」というものだった。その言葉どおり矢部さんはやってきて、すべてを楽しんで帰っていったのだった。
クラシックの常連だけあり、ライディングもしっかりしているし、コースも頭に入っているからすぐに貴重な戦力となり、実行団員ともすっかりうちとけて仲間になった。こういう参加の形態もあるので、実行団員として参加したい人、いまから来年の参加を計画してはいかが?
じつは、もっと劇的に実行団員となったのが石塚君(32)である。愛称、ツトム。じつにまじめで、かつひょうきん者の、ナイスキャラクターである。
彼は昨年のテレビ番組に親子づれの追っかけ観客として登場していたその人である。あのときを境に、ツトムの人生は出光イーハトーブトライアルどっぷりとなっていったのである。
まず、昨年の大会直後にガスガス250を中古で買って、それを運ぶトレーラーも取り付け、秋トラスクールにデビュー、翌日の秋トラでトライアルデビュー、しかもビリではなかったのは立派!
そして今年5月の春トラスクールと春トラにも参加。そこで家村実行団長のOKが出て、実行団員見習いとしてデビュー。いつのまにかガスガスにプラスしてスコルパTYS125Fも中古で購入。
そのあとは大会までの準備作業にほぼ皆勤賞の熱心さで参加。会社を首になるのでは…?という心配をよそに、全生活を実行団の仕事にささげたようなツトムはすっかり若手のホープとして、見習いから実行団員に昇格。
しかもJ-NZフレンドシップとしてTYSをニコラスに貸して、オリバーのおもてなし特典証明もゲット!
大会が終わったあとの片付け、後見イベントにも積極的に参加の表明をして、自ら「実行団中毒」と称するほどの大、大、大活躍だった。
彼の人生は、確かに昨年の観客を契機に大転換し、幸せな日々となったのである。めでたし、めでたし…
クラシック二日目の獣道に、2台のトレールバイクが入り込んで、参加者の邪魔になったばかりか、逆走して危険な状況を作り出したという報告に、実行団員も仰天した。今回は幸いにして事故には至らなかったが、とんでもない危険行為である。
獣道入り口に「競技車両以外進入厳禁」などの立て札を立てることも検討中であるが、規則書19ページにも「必要と思われる場合には、参加者は他の車両が立ち入らないように声をかけて注意を促して下さい」とあるように、まずは参加者が危険を未然に防ぐ意識の徹底をはかりたい。
とにかくこれは参加者の安全をおびやかす大問題なので、参加ライダーの注意が何よりも有効である。参加者以外の獣道コース侵入を発見しだい、侵入を阻止し、万一、奥深いところに侵入しているのを発見した場合はピンクベストのバックマーカーがくるまで決して逆走しないでその場にとどまるように、厳重に指示してもらいたい。
いつもネリ・ブドリの昼食でお世話になっている田山ドライブインさん。今年は合計370名もの人達に例のおいしい郷土料理を提供していただくことになり、はたしてどうなることかと思ったのだが、実にスムーズに対応していただいた。
田山ドライブインさんでは、ご親戚や近所の方々総動員でネリ・ブドリのために準備をしてくださるのだが、とりわけ4人いる息子さんたちにとってもこの日は特別な日なのだ。
ここ数年は上の二人の息子さんが担当で、一生懸命食券を集める姿がほほえましかったのだが、二人はすでに中学生となり、そろそろバトンタッチの時期ということで、康子お母さんとおばあちゃんは小学4年生になる三男君に「今年はあなたの番だからね。今年はとっても人数が多くて大変だからがんばってね」と、しばらく前から動機付けしていたらしい。
どこでも下の子はのんびりしていて、はたしてどれだけやってくれるのか心配だったそうだが、なんと三男君は自主的に自分の友達に声をかけて助っ人を連れてきて、見事にお手伝いをやり遂げたとのこと。
選手の中には「この子たちがこうして頑張ってお世話してくれるので午後もがんばらなくちゃ!」といって気合を入れなおしていた女性選手もいたとのこと。
「あの子がここまでやってくれるなんて、今年一番の収穫!」といって喜ぶ康子お母さんとおばあちゃんでした。イーハトーブトライアルが、地元の子供達の成長にもちょっぴり役立っているというお話でした。(石山)
クラシック二日目、長嶺牧野から年々へ向って先行ライダーとして移動中の事、集落に近い道端でマーカーの確認をして相談していました。
そこへ通りすがりの方が近づいてきて「この先は、上がっていっても大丈夫だよ。」と教えてくれたのです。
マーカーの見え方を確認している3人が、道に迷っている3人に見えたのでしょう。わざわざ止まって、ルートを教えてくれたのでした。
「ありがとう。大丈夫ですよ。」とお礼を言った後、地元に根付いているなぁと感じ、30年の歴史の重みを感じました。(石塚)
早いもので、もう来年はネリの20周年記念大会である。第12回大会から加わった初心者向けクラスのネリは、まさに出光イーハトーブトライアルが一大飛躍する原動力となった。ネリの生みの親は実行団員のイッシーこと石山洋治であるが、彼は一貫してネリ開催の先頭に立って目配り気配りをしてきた。もちろん、あとから派生したブドリも、サンムトリも石山の采配のもとに開催されている。
舞台がクラシックとは別物であり、参加者の層も違うので、雰囲気は第1回ネリのときから和やかで楽しかった。それがいまでも変わらず続いている点が、多くの新参ライダーを惹きつけている。
出光イーハトーブトライアルの参加者の半数以上が集まるネリの20周年記念に、石山はどんな工夫をこらすのかがいまから楽しみである。
ことしで18年もの長きにわたり冠協賛を続けて下さっている出光興産株式会社の方々には、今年の30周年記念大会を大いに盛り上げていただき、あらためて心からお礼を申し上げます。
そして、再来年は出光冠協賛20周年記念大会となるので、実行団として何かお礼の意味をこめた趣向をこらそうと、いまから思案中である。とにかく出光興産という一流企業が、イーハトーブトライアルという草大会を長いあいだ支え続けて下さった事実は、日本のトライアル界全体に大きな希望と勇気をもたらしてくれた。
こんな幸せな大会は他に無いのだから、その幸せをささやかなかたちにして出光さんにお返しできる良い方法があったら、ぜひ事務局まで提案してもらいたい。
出光イーハトーブトライアルは、“注文の多いトライアル”である。私たちはキリッとして清々しいトライアルを開催しているつもりなのだが、現実はかならずしもそうなっているとは言えないので、来年以降、理想の出光イーハトーブトライアルに近づけるために、かなり大胆な改革を行うつもりである。今回の長文となったイーハトーブ新聞には、一部、その予告をこめた記事を含めてあるので、そういう目で読み返してもらいたい。思いを同じくするライダーたちの大会として、来年は再出発の良い年にしたい…(万澤)