スティーブン・オリバーとの不思議な縁[ 戻る ]
いよいよ近づいてきた第30回出光イーハトーブトライアル特別ゲストには、昨年からお知らせしているように、ニュージーランドからオリバーファミリーを招待する。一家8人、3世代がトライアルライダーという、これからの出光イーハトーブトライアルの方向そのままのライフスタイルは、まさに30年と言う節目の大会ゲストにふさわしい。
ところで、ファミリーの中心であるスティーブン・オリバーとは大会会長の万澤が23年前にクライストチャーチのバイク屋でわずか30分ほど立ち話をしたことがそもそものきっかけだった。カタログをお持ちの方はぜひ見てほしいが、ホンダTLR250(ヒット作200の250cc版)のカタログ撮影(マウントクックの氷河にヘリで運んで撮影した!)のため、日本から空輸したバイクの受け渡し拠点となった現地デーラーが、当時スティーブンとその父、アランが働いていた会社だったのだ。
届いたバイクがトライアル車ということで、スティーブンが話しかけてきた。私が73、74年のSSDTに参加したことを知ると「ああ、当時のバイク新聞に載っていたの覚えている。俺もSSDTに出ようと思っているんだ」ということでしばし盛り上がったものだ。
それから20年が過ぎたある日、NZネルソン市でさくらB&Bというペンションを経営している野口さんという方の投稿が自然山通信に載っていた。美しいNZに来たらぜひ泊まって下さいという内容だったが、最後に「トライアルをしたい方は友人で元NZチャンプのスティーブン・オリバーがご案内します…」とあった。
「あ、きっとあの人だ!」と気がつき、「たぶん、バイク屋で立ち話をした人だと思います。覚えているかな?とお伝えください」と見ず知らずの野口さんにメールした。
すぐに野口さんから返信が来て「よく覚えていると言って大喜びでした。ビックリするメールを送るそうです」とあり、すぐにスティーブンから来たメールにはなんと、あの日、立ち話をしている二人の写真3枚と、そのとき渡したマンザワの名刺コピーが添付されてきたのだ!これにはホントにビックリ!
写真なんて、撮られたことすら知らなかったが、当時その店のセールスマネージャーだった父、アランが二人の立ち話を撮ってくれていたのだった。以来、折にふれてメール交換をしているうちに、スティーブンがあのあとSSDTでファーストクラス入賞したこと、NZチャンプを5回も取ったこと、3人の息子たちがつぎつぎと自転車トライアルからトライアルを始めるようになったことなど、いろいろようすがわかってきた。
そしてある日、出光イーハトーブトライアル30周年記念大会ゲストには、3世代でトライアルを楽しんでいる彼らこそがもっともふさわしいと気づいて、相談した冠協賛の出光興産の方々からも快諾を得て、昨年夏には現地で打ち合わせもして、めでたく今回のゲスト招待が決まったというわけだ。
それにしても、23年前の、それも外国での、わずか30分の立ち話が、ここまでの縁の始まりだったとは、いまさらながら人生がおりなす綾の見事さに感心させられる。しかもオリバーファミリーとの交流は今回限りのものではなく、若い孫たちとともに今後もずっと続いてゆくことになるのだ。参加のみなさんの息子や娘が美しいNZで気軽にトライアルできる環境を整えるのは、お父さん、お母さんであるみなさんの役割ですよ!
ともかく、スティーブンとの不思議な縁と、野口さんと、自然山通信に感謝!それを実現していただく出光興産に最大の感謝!