参加クラスに大幅変更あり![ 戻る ]
この数年間、来年の30周年記念大会に向けて、イーハトーブトライアルのあるべき姿をさまざまな角度から検討してきたが、今年の大会でようやくそれが実を結ぶ。それを一言で言えば、「大いなる草トライアル」という原点の再確認である。そして大会のかたちもその方針に沿って大幅に変更されるので、いつにも増してこのイーハトーブ新聞を隅々まで読んで、さらに規則書にはかならず目を通してもらいたい。
この数年間、来年の30周年記念大会に向けて、イーハトーブトライアルのあるべき姿をさまざまな角度から検討してきたが、今年の大会でようやくそれが実を結ぶ。それを一言で言えば、「大いなる草トライアル」という原点の再確認である。そして大会のかたちもその方針に沿って大幅に変更されるので、いつにも増してこのイーハトーブ新聞を隅々まで読んで、さらに規則書にはかならず目を通してもらいたい。
創始以来29年目のクラシックに大きな変更はない。七時雨山荘を出て普代村・くろさき荘に一泊して戻ってくる往復約350kmのコースにも、大きな変更箇所はなく、セクションレベルもあくまで中級者向けだから、ヒルクライムなど数箇所の例外を除けば、バタ足なら出口まで到達できる健全な設定だ。
ただし、昨年の台風上陸の多さから、山中コースには倒木や落石が増えていることが予想される。そのままでは通行不可能な場合に限り、コース設定のときに倒木を切ったり落石をどけるなどして最小限の手を加えるが、基本的には自然のなせるわざなので、そのまま放置する。とくに倒木越えは、うまい人と下手な人の差がハッキリ現れる場面であり、下手な人ほど体力を消耗し、バイクを損傷させて、最悪の場合は先に進めなくなることもあるかも知れない。
しかし、もともとクラシックは中級者対象であり、その手ごたえこそが面白さなので、直径60センチぐらいの丸太越えは、いまから練習しておくことをおすすめする。なにもクリーンしなくたっていい。体力の損失を最小限に抑えて乗り越える方法を会得すればいいのだ。逆に言えば、この程度の基本テクニックなしにクラシックに参加すると、地元の子供たちの歓迎にも応えられないほど疲れ切って、結果、イーハトーブの印象を悪くしてしまうかも知れない。いつでも余裕の微笑みを忘れないように、最低限のテクは磨いて来るべし!
もっとも大きな変更は、従来のネリに、ブドリがくっついた混走形式となり、土曜日に初心者、中級者が一緒に走れるように同時開催となる点だ。これは参加者の日程の都合などを考慮し、初心者をネリに誘ってつれてきた中級者も、一緒にセクションを走って楽しめるようにしたもの。もっとわかりやすく言えば、これまでのネリはネリのままで、ネリヘルパーが、ブドリライダーとなったようなもの。これにともなって、従来のネリヘルパーは廃止された。
ブドリと名のるからには、同じ場所にあるセクションの場合でもネリより手ごたえのあるラインを用意するし、セクション自体がネリとは別の場合もある。しかし、基本的にはネリライダーにつきそっていっしょに走ることができるように考慮されている。もちろん、ブドリのレベル設定は中級者向けだから、ネリと関係なく参加しても十分に満足できる内容となっている。また、翌日のサンムトリとのダブルエントリーも可能だから、初心者引率ライダーも2日連続で楽しめるわけだ。
このところ、ネリ・ブドリは安比周辺の山々を舞台にしていたが、今回は久々にクラシックのスタート&ゴール地点である七時雨山荘を経由する景観重視コースに変更する予定。あの七時雨の美しい芝生で日差しをあびる快感、あるいは霧雨の中でセクションに挑む手ごたえをぜひ味わってほしい。ついでに言うと、七時雨山荘の外にある水道は目の前の田代山からの湧水なので最高にうまい!ぜひペットボトルに汲んでいくことをおすすめする。なお、ネリ・ブドリの昼食は従来どおり田山ドライブインなので、七時雨でゆっくりしたい人は別の機会に訪問してほしい。
そして日曜日には中級者向けの新クラス、サンムトリが誕生する。これは従来のブドリ参加者がそのまま移行することをイメージしてあるが、これまでのブドリとは異なり2ループ方式のコースを採用する。
2ループとは、同じコースを2周するのではなく、制限時間内に1周して安比に戻ってこられた人だけが、2枚目の採点カードを受け取って2周目の別コースに出発できるという、エンデューロのようにスポーツ性を重視した形式。
コース設定レベルも従来のブドリと同等かやや手ごたえのある内容とする方針だ。なお、前にも書いたが、土曜日のブドリと日曜日のサンムトリにはダブルエントリー可能なので、クラシックとは違った味わいで2日間トライアルを楽しめるわけだ。
ちなみに宮澤賢治の愛読者ならご存知のように、サンムトリとは「グスコーブドリの伝記」に出てくる火山のある市の名前だが、この秋、スタート・ゴールの安代町、安比のある松尾村、七時雨山の西根町の3町村が合併して誕生する八幡平市にイメージをかさねたネーミングなのだ。いつも言っていることだが、日本よりもむしろ海外から高い評価を受けている宮澤賢治の作品を、何かひとつでも読むと、岩手の空気や景観が特別なものとして迫ってくる。
もちろん、サンムトリの名前使用については宮澤家から快く承諾していただいていることを付け加えておく。
昨年のイーハトーブ新聞でもふれたように、参加人数が減りづつけていたヒームカを、まことに不本意ながらいったん休止とする。したがって羅賀荘には泊まらないが、これまで非常に観客の多かった平井賀海岸(羅賀荘横のトンネルを抜けたところ)でのデモンストレーションは継続する方針だ。
参加申し込み方法にも変更があり、今回から必ずしも3名1組でなくとも、2名~4名で申し込みが可能になった。これは、年々環境が変化し、昔の仲間が参加できなくなったりして、申し込もうにも相手さがしで苦労している人々の声を反映したもの。原則的に、申し込み順にゼッケンを割り振り、申し込みグループごとに出走する方法をとるので、気の合った仲間と早めに申し込むことをおすすめする。ただし、一人参加申し込みを原則として受け付けないのは、相手がいないと相互採点ができないから。いままでの規則書にもあるように、二人参加で相手がリタイヤした場合は、どこかのグループにお願いして仲間に加えてもらい、相互採点ができるようにすることに変わりはない。あくまで自己採点は認められていないので、大会中の一人走行はあり得ないことを忘れないように。いずれにしろ、日ごろからバイクとトライアル仲間は大事にしておこう!
保険のところでも書いたように、イーハトーブトライアルは今後ともスポーツとしてのトライアルを楽しめる“大いなる草トライアル”であり続けることが基本方針だ。その鮮明な表れとして、親、子、孫の3世代参加、あるいはバイク大先輩がトライアルに興味を持つ若者を誘って参加しやすいように、20歳以下の参加者は参加費無料(保険料2千円のみ)で参加できる特典を設けた。
つまりバイクさえあれば、トライアルと幸せに出会う機会を作りやすくなったわけで、今後、若い人の参加を支援するパトロン的楽しみ方もイーハトーブの魅力となる。さあ、周りの若者をどんどんイーハトーブに誘おうではないか!
ご存知のように、昨年からMFJ承認競技会に参加するためには、年間3千円の会費を払ってエンジョイ会員登録をする必要に迫られた。一昨年まで承認競技だったイーハトーブトライアルでは、熟慮の結果、あえて独自の保険を設定することにより、MFJ承認競技をはずれる道を選んだ。その結果、年に一度だけイーハトーブに参加するライダーも、余分な負担なしに参加できる形となっている。もともと“大いなる草トライアル”を目指していたイーハトーブトライアルとしては、原点に立ち返ったともいえる。
その基本的な考え方は、死亡時の見舞金だけしかもらえないより、あくまで現実的な入院・通院費用がまかなえることを重視する点にある。しかし、いずれにせよ、トライアルに限らずモータースポーツの本質は“危険をいかに避けながら楽しむか”というものなので、自己責任で参加するのだという自覚は欠かせない。その上で不慮の事故の場合に、それなりの補償が得られる保険なので、規則書を良く読んで、大会の保険だけでは不十分だと思う人は各自で保険を追加しておくようにおすすめする。
せっかく遠方から時間と費用をかけて参加したのに、マシントラブルで早々にリタイヤするライダーが毎年かならずいる。とくにクラシックでは長丁場なので、本人も情けないだろう。その原因の大半が、ネジを増し締めしていない、消耗部品を交換していないなど、基本的な整備をおこたっていることにある。突然、点火装置が駄目になるなど思いもかけないトラブルは仕方ないからあきらめるとしても、磨り減ったスプロケットと伸び切ったチェーンのため、道路でバンクしたとたんにチェーンが外れてクランクケースを壊したり、スプロケットが曲がって走行不能などという場合は、たわけ者!としかいいようがない。
バイクのメカに精通していない人は、ある程度の整備代金は惜しまずに、プロに整備してもらうほうが、結局は安上がりなのだということを肝に銘じておこう!良い思い出を作るために参加するのだから、笑って家路に着くことがなにより重要なのだという考え方をよく噛み締めておこう。
3年前、大会に参加しているライダーから「後方反射鏡がないため、白バイに整備不良車として反則切符を切られた」というメールがあった。もともと道路運送車両法で定められていることだから、「輸入トライアル車のほとんどは違法」との白バイ隊員の指摘は正論である。
しかし、現実に輸入トライアルバイクの場合はテールランプまわりに直径2センチ以上の円形の面積を持つ赤色反射鏡を取り付けるのがかなり難しく、当時は適当な市販品もなかったため、しばらく時期待ちの姿勢でいた。しかし、スコルパSY125Fの発売を機に、スマートなウィンカー、反射鏡と一体型のテールランプが入手可能となったため、来年から後方反射鏡装備を義務付ける方針だ。今年の車検ではとくに何もしないが、いまのうちから承知していて欲しい。
いよいよ30周年記念大会となる来年には、第一回大会に参加したライダーの参加を呼びかける。まだ未定だが、参加者全員になんらかの特典を用意する予定だ。
いままでイーハトーブトライアルのIT化や、保険の件で多大の貢献をしてくれたテレビ岩手の斉藤功さんが、社内の人事異動にともなってメディア戦略室で大活躍することになった。その後任として高橋和典さんが事務局業務を行うが、まだ不慣れな点があるかも知れないので、参加者は高橋さんに無理難題を吹っかけないように、万澤からとくにお願いしておく。この件、ヨロシク!
今年4月よりテレビ岩手事業部へ参りました高橋和典です。前任の斉藤に代わりまして事務局を担当する事になりました。「イーハトーブトライアル」という伝統あるイベントに係るという事ですごいプレッシャーが・・。右も左もわからず不慣れではございますが皆様どうぞよろしくお願いします!!